『悪の教典』や『青の炎』などを世に放ってきたベストセラー作家 貴志祐介さんが「売れる小説」はどうやれば書けるのか?などの捜索論についてまとめた『エンタテイメントの作り方 売れる小説はこう書く』読みました。
面白かったので感想書いていきます。
エンタテイメントの作り方 売れる小説はこう書く 感想
自分自身、小説を書いてる訳ではないので、説得力に欠けるのですが、今小説を書き途中で、つまづいている人。もっと面白く書くにはどうすれば良いか分からない人のヒントになるような本だと思いました。
0からこの手順でこうやって書いていくと良いですよ。と言った感じで体系的にまとまっているわけではなく、書いていく中で、つまづきやすい所、面白くするために押さえておくべきポイントについて、作者なりの経験に基づいた的確なアドバイスが書かれている感じです。
実際の作品を例に挙げてつつ説明していて、例えば『青の炎』のラストシーンは結構悩んだ。みたいな話も書かれていて、ベストセラーの裏側が結構知れる。抽象的な部分もあるけど、実例、実例、実例と具体的なケースをバンバン紹介してくれて、その点は最高に参考になると思います。
また自分の作品だけじゃなくて、他の人の作品も例に挙げることがあって、まあ他人の作品なので良い例として紹介するわけだけど、その紹介の仕方もうまくて思わず読みたくなってきてしまう。特に第3章キャラクターで紹介された筒井康隆さんの『虚航船団』なんかは知らなかったし、めちゃくちゃ面白そう。ベストセラー作家のいろんな作品に対する感想も知れるので書き手の人だけじゃなくても楽しめました。
そしてもう一つ思った感想として、この本のAmazonのレビュー欄に、
・分かり切ったことばかり書いてあった
や
・小説の書き方の本を読んだことがある方なら、知ってることばかり
と言った、まあ、批判的なレビューですけど、実は自分も読んでる時にこんな感じのこと思ったんですよね。
ぶっちゃけこれ書いてある事当たり前のことじゃね?と。全部が全部そうではないんですが、中には「だよね」って言うなんとなく小説家として作品書くならこれはしなきゃいけないって自分でも想像つくような事が書いてあったりしました。
だけど、その後出た結論はこの人とは違くて、結局面白い小説、売れる小説が必ず書けるような魔法のメソッドみたいのは存在しないんだな、と。
小説なんて文字さえ書ければ誰でも書けるもので、いかに地道に書き続けるか。常にアンテナ張ってネタを探し続けるか。ってことなのかなって思いました。
実際、ここ書かれている基本的な事を忠実に出来てる人ってどれくらい居るの?って話だし、まあ結局はそうゆう事なんだろうなーと言う結論に達したのでした。
以上。