映画化もされた『ラプラスの魔女』に繋がる物語となっている東野圭吾さんの『魔力の胎動』の感想を書いていきます。
魔力の胎動 あらすじ
悩める人々の前に現れた彼女は、魔女
成績不振に苦しむスポーツ選手、
息子が植物状態になった水難事故から立ち直れない父親、
同性愛者への偏見に悩むミュージシャン。
彼等の悩みを知る鍼灸師・工藤ナユタの前に、物理現象を予測する力を持つ不思議な娘・円華が現れる。挫けかけた人々は彼女の力と助言によって光を取り戻せるか?円華の献身に秘められた本当の目的と、切実な祈りとは。規格外の衝撃ミステリ『ラプラスの魔女』とつながる、あたたかな希望と共感の物語。
魔力の胎動 感想
当然と言えば当然だけどラプラスの魔女を読んだ人は楽しめる作品になっています。
のだが、案外未読の人もこっちを先に読んでからラプラスの魔女を読んでも、それはそれで面白いだろなと思う。時系列的には魔力の胎動の方が先だしね。
ということで、ラプラスの魔女のサイドストーリーというか前日譚のような話なんですが、章ごとの短編集のような形にもなっていて、話がまとまっているのも良いです。
そして何と言ってもこの本の良さは、面白さの仕掛けの多さ。
まずは先ほども書いた通りラプラスの前日譚としての面白さ。こんな背景があったんだ、とか円華がどんなことしてたのか?とか。それが知れて面白い。そしてラプラスの魔女未読の人に対しては、本作はいい意味でモヤモヤする終わり方をしてるので、そりゃ続きがあるわけだから読んでしまうよね。という。
さらに、この作品内だけでの面白さもあって、まず章ごとの面白さも光りますよね。1章、2章はスポーツ×科学を組み合わせた話で、風を味方につけて記録を出すとかジャイロボールの特性の話とか、うわー凝ってるし、めちゃくちゃ面白いなーって感じでした。
そして1章~3章まで話を積み重ねてきて、第4章で本作の主人公工藤ナユタに関して色々明かされる面白さ。まさかの角度から切り込んできた面白さでした。
ラプラスの魔女を読んだの、だいぶ前なのでもう一度読んでみようかな。