ネタバレ注意です。
あらすじ
この女から、逃げられない。衝撃が二度襲う破滅のサスペンス!
40歳独身の尚之は、お見合いパーティで《サトウミサキ》と出会う。彼女の虜となり逢瀬を重ねる尚之だが、結婚の話が進むにつれてミサキは不審な行動を見せ始める。一方、若手刑事の宮下は、一匹狼のベテラン・安井の相棒として、焼死事件を追っていた。単純な火災事故のはずが、安井だけは裏に潜む事件を確信しており――。関わる者を必ず破滅させる女、その正体とは? 全ての謎が繋がるとき、あなたを再び衝撃が襲う!
感想
途中から段々サトウミサキの狙いというか、行動の理由の大枠は見えてきた。
ただ第8章で安井との会話の中ですべてが明らかになっていく中で、二転三転したり、自分の予想した展開とは違う部分があって驚き。サトウミサキが語り終わった後、安井が「お前の話はほとんどが作り話だ」的な事を言った時は笑った。
サトウミサキがなぜ自分の身体をこれほどまで利用して復讐をしたのか?ってことの回答も一応本人がしてるんですが、そんな感じかーと。とりあえず出てる人たち悪い奴と頭イカれてる奴らばかりでした。
他の部分で言うと第3章のサボテンの花はなるほどな、と。入浴シーンでの描写で何かあるとは思ったけど、予想の一歩上の気持ち悪さを行っててやべぇ。精神的に病んでしまってる人を、それを匂わせておきつつ、正常な人間のように描くってのも中々に難しいのではないかと。
ただ一つ不満点があるとするなら、結末があっけないというか、未消化。調べたけど続編も出てるわけではないので個人的にはそこは少し不満だったりする。
ということで、読み進めていけば大枠は見える。ただそこからもう一歩、何か見えない。読んでてずっとそんな状態が続いてて、作品自体がサトウミサキのような魔性感があった。最近は最後すっきり終わったり、広げた風呂敷しっかり畳んで終わる作品ばっかり読んでて、ハッピーエンド慣れしてたんで、
「生きてる方が、地獄のこともある」
みたいな事を言ってくる作品を久々読めて、気分は最悪だけど新鮮。
どっちかに偏らずにバランスよくいきたい。