Web小説感想記事20個目。
世界で一番要らないチートです。
感想書いていきます。
世界で一番要らないチート あらすじ
異世界に転生でチート付きって聞くと、テンプレ乙って思う奴も多いかもしれない。どうせ俺つえーだろ、って思った奴もいるだろう。だがそんなのは「小説家になろう」の世界の中だけの話だ。嘘だと思うんなら、俺の日常を見てみろよ。残念すぎて逆に笑えてくるぜ?
世界で一番要らないチート 感想
ある意味王道・深いチート
異世界転生、ハーレム、そして神様から授かったチートによって俺TUEEEと化した主人公が無双する作品が主流な昨今のWeb小説業界。
そんないわゆる「主流」な設定に、一石を投じる作品がこの『世界で一番要らないチート』です。
舞台はアンダーワールドと呼ばれる、魔法やモンスターなどが普通に存在するテンプレ世界。ただ、一つ他と異なる点が、住人のほとんどが転生してきた者たちだということ。
しかも転生する際、神様からチートを一つ選んで貰うことができるんですよ。
つまりテンプレな設定が皆にテンプレで行われているわけですな。
そんな世界で主人公、山瀬恭一(キョーイチ)が持ってるチートは「リスタート」。
死んだら任意の場所からやり直せる。というもので、まあまあ強そうやん。みたいに思うかもですが
未開の地の地図作りのため単身僻地に送り込まれたり、味方におとりに使われたりと散々な扱いを受けてるんですね。
とまあ、ある意味ベタな設定を盛りに盛り込んでる作品ですが、面白いなーと思った点が、チートに対する「深さ」です。
具体的には「そのチートの能力を使ったら、ほんとはこうなるよね?」とか
「このチートにはこうゆう弱点あるよねー」みたいなしっかりとした設定と冷静なツッコミ?が作品を通して入れられてたこと。
物語冒頭に登場する、某科学&魔術アニメのレールガンなんかもそうです。
いや普通にレールガン使えば自分は逆に吹っ飛ぶでしょ?みたいな。
たしかに(笑)
って思いましたし、笑ってしまいました。
やはりこんだけ丁寧に描かれてると引き込まれますし良い作品に必然となりますよね。
作者から。チートを愛するすべての者たちへ!※ネタバレ注意
※ここからはネタバレを含みます。
物語終盤、主人公は文字通り最強なチートを手に入れます。
んで、ラスボスも倒して見事ハッピーみたいな展開になるんですが
まさかのコリスと、、、、という感じに。
そんな中、主人公はコリスに対する素直な気持ちを打ち明けます。そして、コリスも自分の素直な気持ちをキョーイチへ伝えます。
んで、そのような関係になれた要因はリスタートというチートなわけです。
不老という魅力的ながらも、圧倒的な孤独を抱えて生きる運命にあるコリスは、同じく死なないリスタートを持つキョーイチに惹かれたわけです。
リスタートというチートはたしかに「死」を無効化できますが、チートの中ではあまり強くありません。
むしろこの世界においては弱い方です。
ですが、リスタートより遥かに最強なチートを手に入れたキョーイチですが、それが原因でコリスの隣にいることができなくなってしまったわけです。
自分のチートよりも大切な、本当に大切なモノを失ってしまったんです。
おそらくですが作者さんは、ほんとにチートが好きなんじゃないかと。
そして好きで好きで、チートのことを深く考えた結果、分かってしまったんです。
チートはただの手段だということに。
いくら最強のチートを手に入れたって、所詮手段でしかないわけです。
本当に自分の望むモノは何か?を知って、手に入れることが大事で、チートはただの能力(チート)でしかない。
ただ、強いチートで俺TUEEEしても何も生まれないよ、と。
今どきのチートブームに、忘れがちだけどそんな当たり前の事を伝えたかったのかなー思いました。