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そして「また」誰もいなくなった『ンディアナガル殲記』【感想】

おそらくタイトルにある「殲記」とは作者の馬頭鬼さんが作った造語で「せんき」と読むと思う。

「殲」は殺し尽くすーとか滅ぼすって意味で、たしかに物語の内容にあってるなーと。
読んでいくと、戦記ではなく殲記って表現したのはすごいセンスだなと気付かされます。

そんなわけで、おすすめ小説の「ンディアナガル殲記」。

ンディアナガル殲記

小説家になろうで現在連載中でして、以前はランキング上位(だったはず)で、その頃見つけてハマる。
ポツポツと更新していく感じで、いつの間にかランキング上位からはいなくなってしまったんですが、ブックマークして定期的にチェックして読み続けてます。

なかなか癖のある作品ですが、ハマる人には超ハマると思います。あらすじや感想を書いていきます。

ンディアナガル殲記のあらすじ

 

思い通りにならない日常に鬱屈していた俺が召喚されたのは、塩に埋もれていく世界だった。
右も左も分からないまま俺は「破壊と殺戮の神ンディアナガル」と呼ばれ、最前線へと放り出される。
その戦場の最中、俺は自分が無敵の存在になっていると気付かされる。
元の世界に戻るのに最低一週間は必要だと知った俺は、その一週間だけでもこの世界でハーレムを作ろうと、戦斧を手に戦う決意を固めるのだが……

 

ンディアナガル殲記の感想

グロく疾走感ある展開

まずこの作品はストーリーの展開が早いと感じた。基本グロい感じで、ポンポン人が死ぬからかなーと。ヒロインだと思った子も容赦ない。戦い、戦い、戦いの連続で、まるで特急電車に乗ってるような疾走感で、飽きることなく読み進めれます。

「お、ちょっと落ち着くのかな?」という展開になっても、次のページでは子供が普通に魔物に殺されてる。中弛みが全く無い。グロいのが苦手な人は注意ですね。

負感情のオンパレード

そんな展開だから、読んでいても負の感情のオンパレード。そして我々読者の心を代弁するような主人公の内面の描き方も上手い。

 

──他人を人間扱いしようとしないヤツに限って、自分が人間扱いされなかったら怒るんだからな。

……そう。
本当に、下らない話なのだ。
今までいくつもの世界を見て、悟った一つの真理とも言える、本当に下らない事実なのだが……
基本的に人間という生き物は『自分がされて嫌なことを、だからこそ相手に押し付けようとする』傾向にある。
死にたくないから殺す。
餓えたくないから、食料を奪って相手を餓えさせる。
渇きたくないから、相手の水を奪う。
勿論、数多の世界で俺が見てきた人たちは、そんな……反吐が出るほど下らない生き方しか出来ないような、どうしようもない連中ばかりでもない。
自分の身よりも一族を、自分よりも子供たちを、自分よりも国のみんなを、自分よりも妹を……
そういう……俺がどう頑張っても到達どころか直視することすら叶わないほど、目映い生き方をしている人たちがいたのも事実である。
尤も、そういう一部の人たちの綺麗な生き方を、他の有象無象が汚しているばかりなのが現実でもあるのだが。

 

そして「また」誰もいなくなった

とまあこんな感じのお話なんですけども、この話、1章、2章と読んでいくと、「あ、こんな感じか」って結末が読めてしまうんですよね。

詳しく書くとネタバレになるけど、怒涛の負の感情の先にあるのは必ず空っぽ。けれど、そんな空っぽになってしまった主人公が、そこから次は何かを掴もうと決意し、徐々に壊れていく感じはほんとに良い。

そして、そんな主人公と物語を読んでいくうちに我々も感覚が麻痺してくというか、壊れていくというか。気づくとグロい描写にも慣れてしまうという、、是非、読んでみてほしい一作です。