この作品のタブに「エブ歴代最も面白い作品」とあるのも、うなずけるほどの面白さ。
というわけで今回紹介する『犬と勇者は飾らない』です。
個人的にもエブリスタでおすすめのファンタジー作品を30個紹介するに入れた作品で、
昔っからの読者なのですが、間違いなくファンタジー好きやこういった類いの作品が好きは読んで損はないです。というより読まないと損するレベルであると断言できる。
前置きから全力でべた褒めだけど、あらすじやら感想など書いていきます。
犬と勇者は飾らない あらすじ
異世界ディー・グリーフィアから帰還を果たした佐藤草介は、ある悩みを抱えていた。
どこからも雇ってもらえない事に。
圧倒的に学歴が他より劣っている事に。そんなある日のこと。
幼馴染が謎のイケメンとデートしていたり、
馬鹿でかい虎に出会ったり、
偶然遭遇した一人の魔法使いに弟子入りをせがまれたりしたところから、
佐藤草介の日常は変化する。
犬と勇者は飾らない 感想
とりあえず面白い
とりあえず面白い。その感想がまず出てきますね。まあ、何がどう面白いの?ってことを説明するのが感想の役割でもあるんですけどね。それでも「全部面白い」というしかない。それぐらいの作品。
んでも、ま、面白いところを全部挙げていきますかな。
まずはタイトルの「犬と勇者は飾らない」
はっきり言って最初に読むときは意味が分からかった。
は?なんで犬と勇者?飾らない?ってな感じ。
でも、読み始めたらもうこの作品は「犬と勇者は飾らない」なんです。それ以外はありえない。「犬と勇者は飾らない」という初見では訳わからん表現も読み終える頃には、受け入れている自分がいます。
すっ、と自分の中に「犬と勇者は飾らない」というスペースが生まれるんですよね。
文章表現のユニークさとセンス
お次はなんと言っても文章表現のユニークさとセンス。
これが抜きん出てる。
章ごとのタイトルでは、「草介の食卓」やら「踊る大交差点」、「崖の上の草介」など所々でパロディを入れて笑いを誘ってくれます。
そして文章では、ファンタジーでやってしまいがちな”凝りすぎたが故の無駄な描写”というものがなく、スラスラと読みやすい。
しかも、ここでもユニークな表現をジャブのように入れてくるあたりが憎い。良くもまあ、こんなスラスラと出てくるなーと驚嘆に値するレベルですな。
ここで感じたのが、章タイトルと文章のユニークさ。この両者に共通して、無理に狙ってない感があること。
自然な物語の流れとしての、「あくまで適切な表現として書いてます。」ってのがあること。だから「なるほどー(笑)」って読みながら思ってしまうし、受け入れて、さらに深く物語に引き込まれてしまう。そんな魔力のような文章がこの物語にはあります。
緻密なストーリーかつそれを支える魅力的なキャラ
ストーリーも緻密にしっかり作り込まれています。そして、王道といえば、王道で伏線も多く、展開もいい。
じつはこづみも主人公のことを○○だったり、いけ好かない宍戸の野郎はやっぱり△△だったかとか。
ナインもどこか破天荒だけどしっかり目的があっての行動、ということが物語の中で明かされますし、それぞれキャラも魅力的なんですよね。
さいごに:我々には待つことしかできない
というわけで「犬と勇者は飾らない」は最高の作品なんですが、現在、休載中なわけです。
この記事を書いてる2018年11月時点で、1年4ヶ月ほど更新なしという状況でして、このまま更新なしというのはさすがに悲しすぎるので、なんとか更新して欲しいところ。
ですが、まあ我々読者にできることは、作者のあまなっとうさんがまたやる気を出して書いてくれることを期待するしかないですね。
物語でこづみは草介の帰りを約4年間待ち続けていたと思います。
我々も待ち続けましょう。それしかできません。
追記:2019年2月13日
作者さんが異世界から帰還されて約2年ぶりに更新されました!!