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ガリレオシリーズの魅力が凝縮された『沈黙のパレード/東野圭吾』感想

つい先日、映画化も決定。
まさかの読んでる途中での発表だったので驚きました。
ということで、そんな注目作品の感想書いていきます。

沈黙のパレード/東野圭吾 あらすじ

容疑者は彼女を愛した普通の人々。
哀しき復讐者たちの渾身のトリックが、湯川、草薙、内海薫の前に立ちはだかる。

突然行方不明になった町の人気娘・佐織が、数年後に遺体となって発見された。
容疑者はかつて草薙が担当した少女殺害事件で無罪となった男。
だが今回も証拠不十分で釈放されてしまう。
さらにその男が、堂々と遺族たちの前に現れたことで、町全体を「憎悪と義憤」の空気が覆う。

かつて、佐織が町中を熱狂させた秋祭りの季節がやってきた。
パレード当日、復讐劇はいかにして遂げられたか。
殺害方法は?アリバイトリックは?
超難問に突き当たった草薙は、アメリカ帰りの湯川に助けを求める。

沈黙のパレード/東野圭吾 感想

ガリレオシリーズの魅力的な部分全てが平均以上に面白く、濃密に凝縮された作品という印象でした。

具体的にはガリレオシリーズの魅力って、

  1. 湯川をはじめとするクセの強い登場人物たち
  2. 摩訶不思議なトリック(を湯川が鮮やかに解く)
  3. 事件の発生に至った理由(複雑に絡み合う人間関係など)

の3つを個人的に挙げてるんですが、その全てがキレイに5段階中4ぐらいというイメージ。

まず登場人物なんですが、今回の湯川と相対するのは、被害者女性を愛した普通の人たち。

これまでガリレオシリーズと言えば、容疑者Xの献身での天才数学者をはじめとする、敵役というか犯人役もこれまたクセの強い人だったりしたわけですが、本作に関しては、皆普通の人です。そんな人たちがどのような経緯で犯行に及ぶのか?そんな彼らに対して湯川はどのように向き合うのか?って部分が見どころの一つでここら辺の描き方が良かった。

自分たちはただの普通の人って分かっているから、復讐するために皆で力を合わせないといけない。ってのが多分どこかで分かってて、だからこそ個の能力で犯行を完結させるのではなく、複数人で手を組む。そして、関わった人の数ほど、理由や背景がある。だから難解になる。

こちらのインタビューで東野圭吾さんが

「『登場人物の行動、心の動きも含めて、自分だったらどうするかを徹底的に考える』ってことを最近は気を付けていて、今回はそれが上手くいった。さらに言うと『この人がこう動いたとしたら何が起きたのか。よほどのことがあったに違いない』と自分自身で謎解きしながら書いた」

という事を述べていて、まさしく!という感じ。もうめちゃくちゃ深く彼らの背景が練られていて、それが終盤の驚きの展開の連続に繋がってました。

次にトリックに関してですが、殺したトリック自体に関しては湯川が割とあっさり解いてしまうんですが、読んでる側からするとまあ全然思いつかなくて、それに関しては湯川の能力が高すぎるという印象を持って、逆に満足感ある。アメリカ帰りでまた成長したなオイオイって感じ。

そして、事件の発生に至った理由。これもまたすんごい。詳しくは本格的なネタバレになるので、それは別のサイトなどに譲りますが、シンプルにどんでん返しの連続で、本作ではいわゆるホワイダニットの強いミステリとも言えると思います。それにしても東野圭吾さんは「聖女の救済」でもそうでしたが、時間の経過というか年月を経過を利用して、あっと驚かせる手法が上手いよなーと思います。そしてよくそんな展開思いつくよな、と。

他には、

  • 湯川がギターを弾くシーンがある。これって実写化した時の福山雅治を意識してる?
  • やっぱ実写のイメージが完璧に出来上がってしまってるので、読んでいてても、脳内で実写でイメージしちゃう。
  • 容疑者である彼らの背景を映画ではどう描くのか?まあ容疑者Xや真夏の方程式できちんと描いている実績があるので心配はしていないが上映時間という時間制約もあるので、少し不安。

って感じでしたね。まあ、ともあれ面白かったですし、映画も楽しみであります。

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